趣味を語るブログ

音楽やイヤホン関係の記事が多いです。不定期です。

イヤホンスパイラルの終着!ES60レビュー!

f:id:tkr-62:20200804150359p:plain

学生の頃から長年の夢であったカスタムIEMを手に入れること。この夢がついに叶ったので、今回は自分の初カスタムIEMであるWestone社ES60をレビューしたいと思います。

※このレビューはあくまでも主観ですので、全ての人が私と同じように感じる訳ではありませんのでご了承ください。

www.e-earphone.jp

www.youtube.com

購入に至るまで

f:id:tkr-62:20200608081818j:plain

カスタムIEMは通常のユニバーサルデザインのイヤホンと違って、自分の耳型(インプレッション)を作って、そのインプレッションを持ってメーカーや機種、外観などをオーダーしていきます。 そのオーダー内容とインプレッションを工場に送って(Westone社の場合はアメリカ)、現地の職人さんが一つ一つ手作りで仕上げていきます。なので、その日に欲しいと思っても、すぐに手に入りません。メーカーによって差はありますが、少なくても1ヶ月は待つ必要があります。 私の場合は、1ヶ月半かかりました。(2019年2月21日注文⇨2019年4月8日到着)Westone社がは大体2〜3ヶ月かかると聞いていたので、早く届いて何よりです。でも、届くまでの期間は早く届かないかなーという気持ちと、届いたときの感動を想像しながら有意義な1ヶ月半を過ごしました。(本当は届くまでのもやもやをツイッターにぶつけてた気がする・・・)届いた時の嬉しさと言ったらもう、子供の頃のクリスマスプレゼントのような気持ちでした。 

一言で表すと「懐の深すぎるフラット」

f:id:tkr-62:20200608082544j:plain

音の傾向としてはフラットなのでどのジャンルにも可もなく不可もなく合います。しかし、ただのフラットではありません。ドライバを合計12基搭載しているということもあって、処理できる情報量が凄まじく、フラットでありながらパワフルに鳴らしてくれます。音の分離感もたまりません。自分の耳にあっているため遮音性が良いということもありますが、音量を絞っていても細やかな音まで拾って確実に耳に伝えてくれます。それだけでなく、ボリュームを上げていっても、お互いの音がぶつかり合うことなくそれぞれしっかり独立して聴こえます。この処理能力には頭が上がりません。さらに、フレックスカナルの恩恵がすごいと思います。私自身、ES60が初カスタムIEMだったので、他社との比較が出来ないので、フレックスカナルの比較もできません。フレックスカナルとは、Westone社で独自開発した先端部分の加工です。外耳道に入る一番先端の部分が硬いシリコン状のような素材になっています。フレックスカナルは耳に入った時に、人体皮膚の熱により若干柔らかくなります。これにより装着時の異物感や長時間装着時の痛みを軽減してくれます。確かに、長時間(3時間程度)付けていて痛いと思うことはありませんでした。何より、ジャストフィット感がもの凄いです。フレックスカナル、流石です。 

刺さらない上品な高域

個人的には高域が突出した音作りがあまり好みではなく、特に女性ボーカルの「サ行が刺さる感じ」がダメですが、ES60は中域とのバランスが良いため、女性ボーカルやドラムのシンバル等の音が刺さる事がありません。かと言って高域が出ないというわけではなく、耳が痛くならないギリギリのラインまで高域は伸びていって、ボリュームが上げていっても不快感は全くありません。

フィルターがない透明感のある中域

中域はあまり上がりすぎると全体がボヤッとしてしまい締まりが悪くなってしまい、逆に下がってくると音の印象はどんどん冷たく機械的な音になっていってしまいます。中域はナチュラルさとパワフルさを両立するために本当に適度な調整が必要になってくるのですが、ES60は完璧でした。全体がボヤッとさせることなく、かつ、他の音域に埋もれることなく透明感があり音自体が活き活きとしてきます。目を瞑れば目の前で演奏してくれている、そのくらいの生でリアルな感じです。この中域のナチュラルさはES60の一番のウリだと思います。

縁の下の力持ち、鳴らす低域

低域は個人的に一番出て欲しい音域で、昔は低域が出ていれば出ているほど良いと思っていました(ヘヴィメタルばっか聴くので)。迫力=低域という考え方でした。しかし、ES60はギターやドラム、ベースそのものの音の迫力さを保ちつつ、深層部分からゆっくり持ち上げるように鳴らしてくれます決して他の音域を邪魔することなく、まるで縁の下の力持ちのように煌びやかに鳴り続ける中域、高域をガッチリ支えてくれます。人によっては低域が足りないと感じる人はいると思いますが、情報量でいうとめちゃくちゃあります。その情報の線一本一本がピアノ線のように鋭く細い、そんな感じです。

 

では最後に、自分の好きな曲をジャンル別にピックアップしてES60で聴いた感想を書いて終わります。

ジャンル別で色んな曲を聴いてみた

HR/HM】A Nightmare To Remember - Dream Theater

www.youtube.com

この曲は全部で21分もあり、パワフルに疾走してくパートや緩やかに転調していくパート等、様々な曲調をこの一曲で楽しめます。最初に雷のSEで曲がスタートしていくのですが、最初に聴いた時に本当に外で雷が鳴ったのかと焦りました。それくらいES60の再現力が完璧でした。ギターのリフやドラム、ベースの凄まじいリズム、キーボードのテクニカルなメロディ全てがお互いに干渉せず独立して、そこにハイトーンボーカルがスッと耳に入り込んでいきました。この手数の多い曲の情報量を損失なく確実に再現していました。あっぱれです。

【邦ロック】明日も - SHISHAMO

www.youtube.com

中域、高域は十分出ていないと女性ボーカルの良さが出ないが、低域が負けてしまうとロックミュージックとして迫力に欠けてしまうので難しい曲ではありますが、ES60はそれぞれの音域が一番輝けるステージを用意してくれています。楽器隊のパワフルさにボーカルが負けることなく、かと言ってボーカルが前に出過ぎることがなく、そして自分の不得意な「サ行が刺さる感じ」もなくバランスの取れた音作りです。この曲のイメージ通り、元気が出てくる音です。

【J-POP】揺れる思い - ZARD

www.youtube.com

ちなみに、この曲はハイレゾ音源です。坂井さんの丁寧で力強い歌声がとてもリアルに伝わってきます。中域の表現力がナチュラルなだけあって、こういう女性ボーカルのポップスはとても合います。バックグラウンドのギターやピアノも迫力がありますが、決してボーカルを邪魔することなく、全体がエネルギッシュに仕上がります。

 値段以上の力を発揮してくれます

色々と書いてきましたが、一番は実際に自分の耳で聴いてみることです。eイヤホン秋葉原店ならカスタムIEMでも試聴用にユニバーサルデザインのものが置いてありますのでどんな感じの音なのか一度聴いてみるのも良いと思います。

www.e-earphone.jp

イヤホンに16万円は世間一般的にはありえない額です。ですが、しっかりメンテナンスしていけば長く使用していける自分だけのギアになること間違いなしです。音楽鑑賞が好きな人なら、持っていておかしくないと思います。普段聞いている音楽の音質を大幅にアップグレードすることで、普段聴き取れないような音も聴き取れるようになってより一層音楽を聴くことが楽しくなること間違いなしです。